始めてネイルチップをした!それの記録。
こないだLUNAさんのファンコンサートに行ってきた。グループのイメージカラーが薄めの紫だったので、それに近い色のネイルチップをつけていった。といっても、これはおれが持っている唯一のネイルチップである。このチップは、gorgeous gay DIVA Vtuber浮奇さんの色と思って買ったのだが、今回行ったf(x)のイメージカラーでもあった。そしてなによりルナさんが歌姫そのものであるため、わたしはどうしてもこれをつけていかなければならなかったのだ。
親指の付け根が合わないことは買ったときから知っていた。いつか削ろうと思って先延ばしにしていたが、今回こそは誤魔化していられなかったので、前日にちゃんと準備をした。直線的な形をしている親指の根元に合うようにして、チップを削っていく。親が買ったけど使わなかった爪やすりを使った。ファイルも持っていたんだけど、100均のものを使い古した感じだったので、あんまり削れないかなと思って。とりあえず爪の付け根にチップが当たって痛くないようにすることはできた。他の指に関しては知らない。明日とりあえずこれでうまくいくことを祈ってそのまま下準備は終わりにした。
当日、寝坊する。ふつうに寝坊する。1時間遅れた。これはつける時間ないだろうなという感じ。朝ご飯を食べて、メイクをして(というかメイクも最近楽しくなってきたもののひとつ。これの話もまたいつか。)10分くらい時間が余ったので、左手の爪を眺める。…やってみるか!
接着グミとネイルチップを用意する。グミは、ダイソーのが良さげだというのを前に見たので、チップと一緒に買っておいたやつだ。なんかぐにゅぐにゅとしていた。粘着力が本当に強くて、それはよかったんだけど、一度間違って貼ってしまうと直すのが大変だった。多分爪の根元に詰めて貼ればいいんだよね、とひとつひとつ貼ってゆく。これ、10分でチップつけきるところまで行くかな。最悪片手だけでも終わらせたい。
グミを貼った後はいよいよチップを貼っていく。あらかじめそれぞれの指に合わせたサイズをはかって写真撮っておいたので、それを見返しながら、必要なチップを容器から出していく。取りづらい。グミのシールを取りやすくするためについた突起が邪魔である。取りづらい。油断すると容器をはじいてしまい、チップが複数同時に飛び出してしまう。どれがどれだかわからなくなったらめんどうくさいので、慎重に取り出す。疲れる。
そしてついに、チップを、貼った!爪の根元よりも少し内側に貼ると自然に見えるそうだ。適当に眺めたショート動画の知識を思い出しながら、丁寧に貼っていく。でも実際のところ、心の中では「10分……!!!」と思っていたので焦っていた。結果、人差し指のチップが曲がった。悔しい。まあもともと人差し指の爪はちょっとまがっていたからこうなるのも納得いかないわけでもない(納得だとは言わない)。よしとしよう。
焦りながら、落ち着かせながら、なんとか左手のチップを貼り終わった。え?10分経ったかって?経ってます。そうです、まだ片手しか貼れていませんが時間はなくなりました。わたしは右手用のネイルチップと粘着グミをバッグに詰めた。電車で貼ることを決意したのだ。すごく遠い場所に行く予定だったから、今回はグリーン車を利用する予定だった。なんとかそれなら貼れるだろう。家を出る。いや、家を出るまでにトイレでズボンを脱ぎ着するのに苦労していたことは飛ばしちゃいけない。指の腹で生活ってもどかしいなと朝の時点で思う。
電車に乗る。すぐさま右手用のチップを出す。かなりのんびりしても余裕なくらいの乗車時間だったので、あせらず貼る。ここでまたあれ、貼りづらい。取りづらい。そう、左手にはすでにチップがついているのだ。いくら時間があるとはいえ、もどかしさはさらに増す。ネイルチップを付けた人は、爪先が刺さらないように指の腹を軸にした手の動かし方をする。それがなんとも優雅に見えて憧れだった。だが実際は、自分の身体の範囲が意識していないところで伸びていて、いつもだったら引っかからないところで爪が引っかかる。ちょっとストレスを感じた。
半分いらいらしながらだったが、チップを貼り終わる。電車の窓から差し込む日差しに照らされて、爪がきらきらとしゃらしゃらと輝く。少しばかり指からは浮いて見えるが、私が今までやってきたセルフネイルではしたことのない質感が爪に乗っかっている。心地いい。今わたしは小さなきらめきを指先に乗せている。
ライブ会場につくまで10分ほど歩くのだが、もうわたしは自分のfabulousな一面をアピールしたくてしょうがなくなっていた。長くきらめく爪を持った私は、自分で自分の女性性を思い出してうっとりする。そう、こういう一面もわたしにはあるの。肘を内側に入れ、バッグを肘にかけるようにして、軽く握った手のひらを上に向ける。いつもより少し腰に力の入った歩き方になる。cat walk、いつか思いっきりしてみたいな!
到着。会場で席に座る。ここからネイルはさらに輝きを増す。照明の光を受け、宇宙のように揺らぎなく紫色が輝きだしたのだ。銀色のラメの散らばったそれは、わたしに誇らしい気持ちを与えてくれた。とってもきれいだった。コンサートの間は、そうして時々爪を眺めながら時間を過ごした。ルナさん!わたしもこの小さな爪の上で輝きを放っているよ!うれしい気持ちだった。
帰宅する。ここからはきれいな話なんてない。泥臭い話が続く。ネイルチップは簡単には落とせない。お湯に指をつけて待ち、グミがやわやわとしてきたら、ウッドスティックなどを隙間に差し込み優しく剥がす。まずわたしは、お湯に指をつけて待つことができなかった。し、そもそもお湯の温度が低かった。お風呂に入ったついでに爪楊枝を持ち込んでやったのだが、いつまでもグミがその場をどこうとしない。こちらを威嚇しているのを感じる。手ごわい奴め。
歌を歌いながら待ってみたが、やはりどく気はないようだ。両手を拘束されたまま待つのが嫌になってしまった私は、爪楊枝を隙間に入れてみる。比較的爪のサイズが小さい指だったらねじ込むことができた。そこからは巻き取るようにして隙間を大きくしていく。でもなぜか本当に硬くて、グミも伸びるし、うまく取れない。取れないんだよーーーーー(泣)
結局、全体を通して無理やり剥がしたみたいになってしまった。ちがうんだよ。あいつらが威嚇してくるから……。はい…。(サイズの大きい中指と親指は隙間すらも全然見せてくれなかったので結構恨んでいます)
剥がした爪は風呂桶に浮かんでいる。紫色のいろんなサイズの爪が浮いているので、ちょっと物騒な見た目だった。そこからはチップについたままのグミを剥がす作業をした。実は、ここまでの間でしびれを切らして髪や体を洗っており、すでに全身濡れている。グミは剥がれない。風邪をひくかと思った。涼しい季節に、体を洗ったあと風呂で作業することは、みんな、やめよう。
とまあ、終始操縦席をネイルチップに握られている感じだったが、一日つけて過ごすことができたし、無事はずすこともできた。ちょっとだけ爪が削れていた。無理やり爪楊枝を入れたからだろう。これほどの作業工程の多さ、煩雑さを乗り越え、世のネイルチッパー(今作った語)たちは、ネイルチップを楽しんでいるということだろう。わたしはまだまだ駆け出しである。今回で心を折ってしまわずに、修復しながらまた煌めく爪のために挑戦してみたい。